8) 芸能や芸術という仕事とは
- 2018/7/9
- 対談
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浜田和幸 それで、これから例えば、俳優というか、アーティストの道を目指そうということを、夢を描いている人たちもたくさんいると思うのですよ。そういう人たちに向かって、シオンさん、先輩として、こういう世界、お勧めできないことはないよ。そういったって、幅は広がって、生きていることの実感をされているわけだから、もし、俳優という、そういう世界を目指すことにおいて、どういうことを、普段心掛けるというか、自分の意識と肉体というのか、そういうのを常に磨いてないと、いろんな役のオファーが来るわけでしょうね。
中丸シオン はい。
浜田和幸 柔軟に、その役になりきるということが必要ですよね? だから、そうなると体で表現することと、自分の声、発声も含めて、自分の感情を、言葉、セリフを乗せる声の質というか、そういうのも、すごく大事だと思うのですよね。だから、そういう芸術というか、舞台なんかを志す人たちにとって、シオンさんが、今、日常的にやっておられる。毎日、こういうことを気を付けて、こういう訓練というか、トレーニングに励んでいますとか、そういうことはありますか。秘訣のようなものですね。
中丸シオン 特に私は意識したトレーニングみたいなことはないです。
浜田和幸 そう?
中丸シオン 役に伴って肉体も技術的なことも俳優さんは毎回違うことを瞬時に求められます。ダンスや歌や日舞や楽器やアクションや語学や。いつでも何でもできれば、できるに越したことはないけど、それは本当に大変なことだと思います。技術の訓練も大切ですが、どちらかというと私は感じることを大切にしています。想像力だったり。
浜田和幸 いろんなことに関心を持って、自分でそれを試してみるっていうのは、そういう好奇心っていうか、積極性みたいなものもないと、せっかくいただいた役だとか、こなせなければ次の仕事が回ってこないかも分からないし。
中丸シオン そうですね。私は学校の勉強は実は得意ではないというか、できなかったのですが、映画をとにかくたくさん観て色々なことを知りました。
浜田和幸 見るのが好きで?
中丸シオン 見るのが好きです。演技の勉強という意味でも見るし、社会的な勉強にもなるし、あとは、ものすごく落ち込んだときなど、映画に助けられたり。
浜田和幸 映画に救われる? 映画に勇気付けられる?
中丸シオン はい。それは音楽もそうですが。絵や本や演劇。芸術から。芸術家達からいつも助けてもらってきました。映画からは、例えば、強い女性の役がきましたら、さまざまな映画を思い出して、そこから拾っていくようなことをよくやります。もちろん、可能な限り、実際に学びに行くときもある。お医者さんですとか、そういう専門的な方に実際にお会いして、お話ししたり。これ、本当に大変な世界ですね。
浜田和幸 そうだよね。
中丸シオン その都度、その人を生きねばならない。
浜田和幸 それは、すごくいろんな人の人生を演じるわけだから、現実の世界では体験できない。そういうことを、この映画やテレビ、舞台の中で体験できるという、この一生が何倍にも充実できるという意味では、まさに奇跡のお仕事に。
中丸シオン 奇跡のお仕事。本当に。
浜田和幸 就いて来られるといっても、過言ではないような気はしますね。
中丸シオン 今は最高に楽しいですし、続けていきたいと思います。が、突然、花子さんのように激しく愛に生きる可能性もあります。
浜田和幸 それはそうだね。
中丸シオン 今は好きです、表現することが。
浜田和幸 そうですか。今日は、たくさんの興味深いお話をありがとうございました。
中丸シオン とんでもございません。ありがとうございました。
事務局から
浜田和幸の日露対談では初めての女性ゲストとして中丸シオンさんにお越しいただきました。中丸シオンさんのロシアの魅力は愛の国ロシア。ご自身のロシア愛も強く感じられました。
今秋、ロシアの国営テレビで放映される『ゾルゲ』のヒロイン石井花子、今年公開予定の中国の映画『刀尖』と立て続きに海外の作品に出演され、今後の活躍が増々期待される存在です。