ロシアの映像が日本でなかなか見ることが出来ないという課題
- 2018/4/30
- 対談
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浜田和幸ー そうですか。今、お話があった『ゾルゲ』っていうのは、ロシアではもう放送が始まって、これから?
中丸新将ー 5月のはずです。予定では。
浜田和幸ー 5月から12回に分けて放送されて、恐らく今年か来年か、日本でも放映、放送されると。
中丸新将ー そこなのですよ。そこでですね。今回のこの会の発足にも関係、僕の中ではあるのですが、やはり向こうでみんな頑張って撮ったものが、なんで簡単に日本で見ることができない。または、反対もありますよね。日本で作ったものを、ロシアで簡単に見られるように。ロシアで作ったものを、日本で見られるように。そこがすごい歯がゆいっていうか、やっぱり芸術とか文化とかスポーツってのは、国境を越えて、政治とは関係がないところでそこはやっていただかないとって思う。
浜田和幸ー でも、今年はだって、ロシアにおける日本年で、日本におけるロシア年で、安倍総理も今年は5月と9月、2度にわたってロシアを訪問するということが決まっているし、いってみれば、のどに刺さったとげといわれている領土問題はまだあるけれども、そういう問題を克服するために、お互いの国民同士、市民同士の理解交流が絶対に欠かせないわけですから、一番身近なところでいけば、そういうテレビだとか映画とか舞台とかね。
なんか今年は、そういう日本におけるロシア年っていうことで、随分たくさん、ボリショイ・バレエとかサーカスとか、いろんな芸術の方も日本に来られて、全国で公演をされるっていうことが決まっているのですよね。
でも、そういうところに行ける人は限られているから、テレビなんかでそういうドラマ、ゾルゲといえばそれはいろんな見方はあるけれども、日本人で知らない人がいない、また、ロシア人の見方と日本人の見方が違うと思うのですよね。そういうことを理解する上においても、これとっても僕、意味があるテレビドラマだと思うのですけどね。
中丸新将ー 戦争が舞台にはなっているのですが、人間と人間の愛みたいなものがテーマですから。だから、それは面白いと思いですね、お互いの国の見方違って、当然。
浜田和幸ー だって、ゾルゲという、日本ではスパイの親玉みたいに言われているそのゾルゲという人が、日本の女性とほとんど夫婦同然ですよね。だから、日本にゾルゲさんのお墓もあるし、その奥さんと、花子さんと一緒に祀られているわけだから。そういうことをやっぱり知れば知るほど、ロシアと日本との縁の深さみたいな、縁の複雑さみたいなのがありますよね。
だから、ぜひ、そういうモスクワの国営テレビの、日本人もちゃんと親子で出演されているし、他にも日本の俳優さんが出ているわけだ。そういうものが、ぜひ放映されるように、ちょっといろんな外交ルート含めて、働きかけたいと思いますし、以前シオンさんにも一緒に駐日ロシア大使館に私ご案内して、ロシア大使のアファナシエフさんにも、ちょっと1場面見ていただいて、「これはすごい」と、「ぜひ日本でも見られるようにしたい」とおっしゃっていて、
彼は一応70歳がロシアの外務省の定年なので、70越えられたので、今はモスクワに帰っておられますが、連絡ありますしですね、今度新しく来たガルージンっていう大使も、もともと日本スクールというか、日本語を学ばれて、日本語はほとんどわれわれと、全然問題ない、遜色ない。日本語とってもお上手というか、よくできる方なので、こないだ4月の頭に歓迎会をやったばかりなのです。
だから、そういった意味では、外交ルートもフルに生かして、それが日本で見られるように、一緒に働きかけたいと思います。
中丸新将ー よろしくお願いします。
浜田和幸ー もともと、ロシアと日本がいろんな課題があるけれども、それを乗り越えていくということの一番大きな突破口に、僕は文化、芸術そういうものが果たす役割、すごい大きいと思うので、まだまだ日本の国内では、ロシアっていうちょっとかなりイメージ、ありますでしょう?
でもやっぱり、そういうものを乗り越えるというか、一皮二皮むけば、同じ人間同士、理解がし合える部分がたくさんあると思うのですよね。
中丸新将ー そうですよね。だから、もちろん演劇も離れても、若い子たちがどんどんロシアに、広いですから、行ってほしいですね。
浜田和幸ー 確かにね。日本からは想像もつかない、シベリア鉄道なんてね。
中丸新将ー とんでもないですからね。
浜田和幸ー だから、僕らが若いころは、『青年は荒野をめざす』っていう五木さんのあれで、シベリア鉄道、すごいね、あれですけれども。今は本当に、若い人たちが全部ネットで、スマホで、世界中の情報が分かったような錯覚に陥っちゃっているけれども、実際に行くと行かないとでは、違いますよね。だから、パリで修行されて、モスクワにも、上海にも行かれて、ですから、そういう経験をもっともっと日本の若い人たちにもね。
中丸新将ー そうなのです。行ってほしいですね。ロシアに限らず、世界中に見てもらいたい。行けば何かしら感じますからね。